陶芸作品の魅力を引き出すライティングの基本

2023年10月24日 | 写真技術・ナレッジ

スタジオで撮影される繊細な陶器のクローズアップ

なぜ陶芸写真において光が重要なのでしょうか。陶器は、土の質感、釉薬の輝き、そして作者が込めた造形美という三つの要素で成り立っています。これらを平面の写真で「触れられそうなほどリアルに」伝えるためには、光をコントロールする技術が不可欠です。

1. 釉薬の反射をコントロールする

陶器の撮影で最も難しいのが、釉薬による強い反射(テカリ)です。直射日光や強いフラッシュをそのまま当てると、意図しない場所に白い点(白飛び)が生じ、器の本来の色や表情を殺してしまいます。

そこで重要になるのがディフューザーの使い方です。薄い布や専用のトレーシングペーパーを光源の前に置くことで、光を「面」として分散させます。これにより、釉薬の滑らかな質感を際立たせ、柔らかいハイライトを作ることができます。

ディフューザーを通して柔らかい光を当てる撮影風景

2. 立体感を強調する「サイド光」と「半逆光」

器の形を美しく見せるには、影の作り方が鍵となります。正面からの光(順光)は、影を消してしまうため、器が平坦に見えてしまいます。

私たちは主に「サイド光」や「半逆光」を採用します。真横から光を当てることで、土のざらつきや微細な凹凸に影が生まれ、生命感が宿ります。また、斜め後ろから光を射し込む「半逆光」は、器の輪郭(エッジ)を際立たせ、背景から浮かび上がらせる効果があります。

3. 背景選びが与える印象の違い

背景は、その器がどのような「時間」を過ごすものかを物語ります。

  • 自然光 × 木材: 日常の食卓のような温かみと親しみやすさを演出します。
  • スタジオ暗幕 × スポットライト: 芸術作品としての重厚感、静寂さを強調します。
自然光の中の温かみのある陶器
黒背景でドラマチックに照らされた陶器

まとめ:プロに頼むメリット

ご自身での撮影も魅力的ですが、ポートフォリオや展示会のDM、ECサイト用の写真は、ぜひプロの目を通すことをお勧めします。Kintsugi Lensでは、作家様の想いを汲み取り、その器が持つ一番美しい「影」を見つけ出します。

あなたの作品に、新しい光を。

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