金継ぎの美しさをどう写真に収めるか
2023.11.24 | Photography Philosophy
傷を美しさに変える「金継ぎ」の哲学
金継ぎとは、割れたり欠けたりした器を漆で繋ぎ、その跡を金で飾る日本の伝統。壊れたことを「終わり」とするのではなく、むしろ新しい命を吹き込み、より高い芸術的価値を見出すこの哲学は、私たちKintsugi Lensの理念そのものです。私たちのスタジオ名には、お客様が大切に作り上げた作品の「歴史」や「再生の物語」を、光と影によって鮮明に写し出したいという願いが込められています。
撮影テクニック1:金の輝きを制御する露出コントロール
金継ぎの「金」は非常にデリケートな被写体です。強すぎる照明は金の輝きを白飛びさせ、ディティールを消してしまいます。私たちは、面光源を使用し、柔らかいサイド光を当てることで、金属特有の質感を残しながら、奥行きのある反射を作り出します。露出計を細かく調整し、ハイライト部分の粘りを極限まで引き出します。
撮影テクニック2:マクロレンズによる情熱の視覚化
作家の技術が最も現れるのは、その細かな継ぎ目のラインです。Kintsugi Lensでは、高性能なマクロレンズを使用し、肉眼では捉えきれない繊細な凹凸や、漆の重なり、金の粉末の粒子感までを捉えます。画面いっぱいに広がる「継ぎ」のラインは、単なる修復跡ではなく、一つの風景としての美しさを提示します。
撮影事例:作品の再生を記録する
欠損が生じた状態の作品
金継ぎを経て芸術へと昇華した姿